「家族経営の会社はやめとけ」と合言葉のように言われます。
その一方で「本当の家族みたいで居心地がよい」という人もいるようです。
家族経営の会社=ブラック企業というイメージのとおり、その割合は多いのかもしれません。
ただ中にはもちろん優良企業も存在しているでしょう。
たくさんのブラック家族経営企業の中に埋もれている、キラキラとかがやくホワイト家族経営企業を引き当てたい‥‥!
今回はこれを抑えるとホワイト率が上がるかもというポイントについてご紹介したいと思います。
僕自身が家族経営の町工場に勤めて6年目になり、現場だけでなく採用業務やPC周りの面倒などをみています。
その経験を反面教師にして考えてみました。
面接前(ブラック家族経営会社に当たらないために)
ウェブサイトをチェックする
家族経営であろうがなかろうが、就職・転職活動の基本です。
注目したいところは、ウェブサイトのデザインとコンテンツの内容です。
ウェブサイトのデザインが古い会社の場合は、ITリテラシーが低い可能性が高いです。
ITリテラシーが低い会社の場合、PCが使えるからとPC周りの雑務を任されます。そしてその仕事は評価されません。
知識がないということは、それがどれほど大変かもわからないので評価ができないのです。
僕は前職でPCを使っていたため、EXCELでのデータまとめや、プレゼンテーション用のスライド作成などを任されます。
スライド作成は発表内容からスライドのデザイン、発表時に社長が話す内容など全て丸投げのため、ゼロから考えなければなりません。
しかしできる人がやって当たり前な雰囲気で、何ら評価されません。
PCは何でもできる魔法の箱とでも思っているようで、資料作成にかかる時間は加味されません。
「資料作成をやってもらうから」と業務量を減らしてくれるということはありません。
通常業務の納期を抱えながら、PC仕事をやらなければなりません。
僕が作った資料は、会社外の方々から褒めてもらうことも多いですが「あの人は前職ITだから」と社長は言っていて、感謝はされたことも褒められたこともありません。
「PC周りの知識がないなら自分が入って貢献できる!」と当初は思っていましたが、頑張るだけ無駄です。
評価されない仕事が増えるだけです。
求人票に”ブラック求人ワード”が使われていないか
ブラック求人ワードといえば「アットホーム」「少数精鋭」などが有名です。
「アットホーム」‥‥家族経営の会社にありがちな、公私混同が多く見受けられます。
「少数精鋭」‥‥人がどんどん辞めていくので、人数が少ないだけです。僕の勤めている会社も離職率が90%近いです。
未だに世間的にこういったワードがどう思われているのかを知らずに、求人票に書いていることがあります。
もしかすると本心から「アットホームな職場です」と書いている可能性がありますが、やはりそこにアンテナを張っていない時点でダメでしょう。
これらに加えて、僕の思うブラック求人ワードは「職人」です。
僕が勤めているのが町工場であり、やたらと「職人」や「職人技」という言葉を使いたがります。
そしてその言葉にあぐらをかいているというか、言葉の響きに酔っているというか‥‥。
僕の感想としては「職人」という言葉に逃げているだけです。
「職人の伝統技術をしっかりと伝授します!」
たしか僕が入ったときの求人票にはそう書いてありました。
しかしいざ入社してみると、
「職人だから感覚で仕事をしている。まずは感覚を養わないと」
こう言ってろくに研修をしませんでした。
それから5年以上が経ち、僕にしかできない超精密の業務も増えました。
技術レベルは社長を超えましたが、個人的には「職人なんて存在しない」と思っています。
仕事の内容を言語化して伝えることを面倒臭がっている人の言い訳です。
「職人技」だから感覚を養わなければならない。
「職人技」だから教わるのではなく見て盗め。
「職人」の世界は手取り足取り教えない。
こんな馬鹿なことはありません。
事実、後輩たちへは僕がなるべく言語化して伝えて研修をしています。
僕が1年以上かかった超精密の仕事を半年程度で習得しています。
ただ、僕よりも速いスピードで仕事ができるようになるのに、会社に幻滅したり、パワハラやセクハラを受けてすぐに辞めていってしまうのが悲しいところです。
面接時(ブラック家族経営会社を見抜くために)
会社は整理整頓されているか
小規模な会社の場合は、スペースの都合上モノが多いのは仕方がないかもしれません。
しかしモノが多いわりにはきれいに整理されていたり、建物が古い割には掃除が行き届いていたりするだけで会社として常識がある可能性が高いです。
使われたモノが出しっぱなしになっていたり、ごちゃごちゃとした印象を受ける会社は掃除に時間をかけていません。
整理整頓はビジネスの基本です。
生産性が向上したり、無駄遣いを防ぐことができます。
職場は経営者だけでなく、従業員の場所でもあります。
共有の場である職場が散らかっていたり、社長の私物が置かれていたりすると、公私混同やハラスメント気質な会社であることが見え隠れします。
ちなみにこれも「職人」とやらの言い訳であることもあります。
「職人」はどんなに散らかっていても何がどこにあるか把握している。
むしろ掃除をされたほうが仕事がやりづらい。
くそほどくだらないです。
社長は外に出たことがあるか
これが一番重要だと考えています。
この有無だけで上に書いていたITリテラシーや整理整頓、ハラスメント気質などの問題をクリアしている可能性があります。
他社での経験があるだけで、パッと思いつくだけで以下のような可能性があります。
- 最低限のビジネスマナーを身に付けている
- ハラスメント研修を受けている
- 人の下で働くことを知っている
- 会社の飲み会が嫌だった経験がある
- 有休への理解 ‥‥etc
逆に言うと、外に出た経験がない場合はこれらを知らない可能性があると言うことです。
僕の会社の社長は二代目で、外の会社で働いた経験がないため、このような具合です。
- 掃除は時間の無駄という考え
- 「報・連・相」ができない
- ハラスメントは必要だという主張
- 人事評価や製品の見積もりなど全てが肌感覚
- 社長(先代)の息子なので、むしろ周りに気を遣われてきた
- 会社の飲み会はむしろ家族の飲み会
- 「僕には有休なんてないんだからね」と言っちゃう ‥‥etc
面接前にウェブサイト等を見てみると、社長の挨拶などに他社を経験した旨が書いている場合があります。
しっかりチェックしてみましょう。
見当たらない場合は「社長はこの道ひとすじなんですか?」と立てるように質問してみると良いでしょう。
ちなみに僕の会社の面接は、採用面接という場を借りた社長の会社自慢の場となっています。
それもこれも社長が、他社で働いた経験はおろかアルバイトもろくにしたことがないため、面接というものがわかっていないのだと思います。
自慢話や過去の苦労話をはじめた時点でその会社はダメだと気づけるでしょうから、僕の会社の場合を見抜くのはイージーでしょうね。
実際に数年前中途採用募集をしたときに、内定辞退率100%を記録したこともあります。
‥‥じゃあ、なんで僕はそんな会社に入ったんだよ、という話なんですが。
面接時に質問したいこと
面接での逆質問でこれらを訊いてみるとよいでしょう。
「社長はこの道ひとすじなんですか?」
上に書いたとおりです。
経営者が何代目であろうと、他社で働いたことがあるというだけでブラック率が大いに下がる可能性があります。
「今働いている人の中で、一番社歴の長い人はどれくらいですか?」
僕の会社は創業50年近いですが、一番長いのは6年目の僕です。それだけ人が長続きしないということです。
単刀直入に離職率を聞いてもいいですが、これくらいマイルドにしたほうが聞きやすいでしょう。
「研修はどのように行いますか?」
この質問をして「職人」「感覚」「イメージ力」とか話し出す場合は、入ってから苦労します。
マニュアルがしっかり作ってあり、研修制度が整っている会社のほうが絶対良いですからね。
まとめ:ホワイト家族経営企業を探し当てたい
以上、僕自身の経験から、ホワイトな家族経営企業を探し当てるためのポイントをまとめました。
やはり重要なのは、会社のトップが甘やかされずに、社会の波に揉まれているかというところです。
実際にぐんぐんと成長している家族経営の会社について調べてみると、外の経験を生かして、古い会社の体制にメスを入れている二代目や三代目が多いです。
僕も自分自身の経験を生かして、ホワイトな企業に転職したいものです‥‥。