【大手から中小零細】従業員数1ケタの小さな会社に転職して感じたギャップ【町工場】

大企業から小さい会社へ転職して感じたギャップのアイキャッチ

前職はホワイトカラーの仕事で、グループ会社全体ではそれなりの規模でした。

東京の本社だけでなく北海道や九州など支社もあり、従業員数も数百人いたと記憶しています。

その会社を辞めて僕が転職したのが6年前のことで、転職先は家族経営の町工場です。僕が入社したときの従業員は中途採用の僕らを含めて5名(先輩2名+中途社員3名)。

現在の従業員数は僕を含めて3名です。

それなりに制度やルールが整っている会社から、従業員数1ケタの中小企業どころか零細企業へと転職をして、かなりのギャップを感じました。

今回はそんな僕が実際に働いて感じたギャップについてまとめてみたいと思います。

小さい会社ってどうなんだろう」と零細企業へ転職を考えている方の参考になったら嬉しいです。

目次

大手ではありえない。入社して即現場

古い旋盤の写真

小さいな会社であるがゆえ、色々なことが整っていません。

どのような雇用形態であっても、入社してすぐは事務手続きや必要書類の作成・提出などをするものです。

学生時代のアルバイトですら初日は入社手続きがありました。

しかし僕が入った町工場は、8時半に始業してすぐに工具を片手に作業をおこなっていました。

多くの会社にあるようなオリエンテーションといったものは一切ありません。

そして雇用契約書すらありません。雇用契約書なしで働いたことは生まれて初めてです。

働いているうちに経営陣の考えがわかってきたのですが、要するに「事務手続きはいいから、1日でも早く仕事を覚えて労働力になれ!」ということです。

中小零細には研修制度が整っていない

ノートにメモを取る人の写真

未経験者しか入らないのに業務マニュアルがない

困ったのがマニュアルが何もないことでした。

僕の入った町工場はニッチな業界なので、経験者が入社することがありません。入社する100パーセントが未経験者です。

しかし研修制度が何も整っておらず、業務マニュアルは一切ありません。

「職人」「感覚」「イメージ力」「見て覚えろ」そういった言葉に酔っていて、マニュアルを作らないことがかっこいいと思っていそうな雰囲気でした。

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図面の見方すら教えてくれない

図面の見方もわからないのに、図面を渡されて「これを作れ」と入社早々はじまりました。これから製作するものの全体像が何もわからないまま進めていくのは苦しかったです。

図面がわからないので完成品を見せてもらおうと思ったのですが、在庫を抱える余裕がない会社なので完成品はありませんでした。

「イメージ力が大切」と社長はよく言っていましたが、図面も読めず完成品もない状態では何もイメージできません。

図面の見方は一切教えてもらえず。独学で覚えました。

社内で統一されていない製造工程

また業務マニュアルがないということは、製作工程が社内で統一されていないということでもあります。

社長と先輩で作り方が異なっていて、言うことが違うので混乱しました。

社長が不在のときに、先輩に質問しにいったら「こんなやり方はダメだよ!」と言われたことがあります。

「どんなやり方でもいいから最終的に出来上がればいい」という考え方は、まずは社内にベースとなる製造工程が統一されていることが大前提です。

その上でそれぞれが工夫して改善して製造工程を変えていくものだと思います。

大手にはあるはずのルールが中小零細にはない

ホコリをかぶった工具

社内のルールがほとんど決まっていません。

多くの会社には備品の管理や勤怠や服装、有休の申請などについて、大小様々なルールがあります。

こういったルールが何もありません。

会社の備品についての管理は明確なルールがありません。使ったら元に戻すということすら徹底されいませんでした。

電車遅延で遅刻をしたときに遅延証明書を持っていたことがありましたが、何に使わることなく捨てられました。

また先日は入社6年目にしてはじめて残業は30分単位でしかつかないということを聞かされました。

一応就業規則はありますが「現場に壁にかかっているから勝手に読んでおいて」というスタイルです。

そもそも作成したのが10年以上で改定は一度もされていないため、実態とはかなり異なっています。

零細企業らしさ抜群。給料が手渡し

給料袋の写真

僕がはじめて働いたのは高校1年生のときにはじめたアルバイトでした。今から約20年前のことです。

それから色々と働きましたが、給料が封筒に入って手渡しをされたのは生まれて初めてのことです。

給料明細も手書きです。

僕が幼い頃に父親の給料が手渡しだったような記憶があります。給料日に母親がテーブルにお金を広げていたような‥‥。遠い昔のことです。

令和になって5年も経ちますが、弊社は未だに昭和のスタイルです。

中小零細企業のちょっとしたこと

古い工作機械の写真

零細だからなのか、ごみが家庭ごみ

これまで働いてきて職場のごみについてはあまり気にしたことはありません。

高校生のときにファストフード店で働いていたときにごみ出しをしていたくらいです。

大学生のときに働いていた施設も前職のオフィスも清掃業者が入っていたので、ごみについては特に気にしていませんでした。

現在僕が働いている会社は一般の家庭ごみとしてごみを出しています。

事業用と家庭ごみはルールが違うことを知っていたので、ごみ収集の日に当然のようにごみ出しをしていたのを見て驚きました。

会社のある地域の事業系ごみのルールを調べてみましたが、事業系ごみを家庭ごみと同じように出すのは特別の場合をのぞいてダメなようです。

わざとと言うより、そういうルールがあることも知らないのだと思います。

中小企業はトイレが古くて汚い

大手企業はもちろん、それなりの規模の会社だとトイレは綺麗で居心地のよい場所です。

前職の職場のトイレは当然のように綺麗でした。出向したこともありましたが、トイレは綺麗で仮眠すらできそうな場所でした。

しかし小さい会社のトイレは汚いです。温水洗浄便座はもちろん付いておらず、そもそもほぼ屋外のような場所です。

夏は暑くて冬は寒い。特に冬に便座に座る際は凍えます。

トイレの汚い会社は大体ブラック

かつてTwitterでこのようなツイートを見た記憶があります。このツイート、あながち間違っていないと思います。

ちなみに社長の母親がいる事務所のトイレは温水洗浄便座付きのトイレです。汚いのは従業員の働く現場のトイレです。従業員を大切にする気がないのです。

大手では考えられない。健康診断がない

労働安全衛生法という法律で、会社は従業員に対して健康診断を受けさせる義務があります。

しかし弊社はありませんでした。健康診断を受けるのは当然のことだと思っていたので、入社して驚きました。

これは中小零細企業あるあるなのかもしれません。

検索してみると結構そういった悩みがヒットします。大手企業では考えられません。

去年やっと受けられるようになりましたが、きっかけは辞めた後輩が労働基準監督署へ行ったことです。

結局そこまで話を大きくしないと実現はしませんでした。

会社を変える難しさは大手も中小零細も変わらない

ノートパソコンと沢山の工具の写真

会社の規模が小さいから「会社を変えることができるのでは」と思いませんか?

僕は思っていました。

こういった会社のおかしなところを少しずつ変えていこうと思い、誰よりも仕事ができるように努力をしました。

僕にしかできない仕事も増えてきたころに、経営陣に提案したことがあります。

実は小さい会社であっても変えることは難しいです。会社の歴史が長い家族経営の中小零細企業は変化を嫌います。

僕は経営陣に提案したことをきっかけに「少し仕事ができるようになったからって偉そうに」と会社へ文句を言った人として扱われるようになりました。

従業員が1ケタのとても小さな会社であろうと、古い考えだったり、ワンマン社長だったりするとなかなか変えることはできません。

会社を変えることの難しさに「会社の規模は関係ない」ということを痛感しました。

まとめ:大手から中小零細企業への転職はギャップがたくさん。その覚悟は必要。

大手といわれる規模の会社から中小零細企業へ転職をするとたくさんのギャップを感じることが多いです。

ある程度の規模の会社のほうが色々としっかりしています。少なくとも僕の場合は、就業規則や評価制度がちゃんとした会社のほうが働きやすく感じます。

もちろん小さな会社にいることのメリットもあるります。

僕も会社に提案をして嫌われる前は、和気あいあいとして働きやすかったです。

しかし一度嫌われると逃げる場所がないのが小さな会社です。

僕も転職活動をはじめなければなりません。履歴書と職務経歴書を準備しなきゃとは頭では思っているのに、なんでこんなに腰が重いのか‥‥。

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