二代目社長に仕事を教えて、気がついたこと

旋盤のイラストのアイキャッチ

家族経営の町工場を退職して二回目の平日を迎えています。
今後の不安がふつふつと湧いてきて、無気力になってしまいます。
こんなときこそ、手を動かすしかないですね。

さて、退職する意思を伝えてから1ヶ月間は、社長(二代目のおぼっちゃま)に技術の引き継ぎを行っていました。
社内にある超精密加工機のノウハウは僕しか持っていなかったためです。

そもそも高い借金をして超精密加工機を買ったはいいけど、使い方を覚えず従業員に丸投げしてきたってどういう神経なんでしょうね。
率先して社長が難しいことへチェレンジする姿を見せていたら、違った未来もあったんでしょうけどね。

1ヶ月間でなんとか社長一人で動かせるようにはなりましたけど、僕の頭にあることの6割も伝えられませんでした。
そもそも約3年ほどで築いてきたノウハウを1ヶ月で余すことなく伝えるのも難しいですし、何よりも社長の覚えが悪くて呆れました

今回は、1ヶ月間社長につきっきりで仕事を教えて感じたことをまとめたいと思います。

目次

二代目社長はトップクラスに覚えが悪かった

高校一年のときにファストフードでアルバイトをはじめてから、今まで色々な職場で色々な人に仕事を教えてきました。
その中でも、社長はトップクラスに覚えが悪かったです。
覚えられないというか、要領が悪いというか、そんな印象です。

父親が経営者でおぼっちゃまとして育ち、他社はおろかアルバイトの経験すらないことが、彼をそうさせたのかもしれません。

  • メモを取らない
  • 覚えられない
  • 応用力がない

こういったことを痛感しました。

あわせて読みたい
【実体験】なぜ二代目社長は会社を潰すと言われるのか① 二代目社長はクズだのポンコツだの会社を潰すだの、あまり良いイメージがありません。家族経営の町工場で働いている筆者もやはり二代目はダメだなあと痛感しています。 原因は、二代目社長の育った環境に問題があったのかもしれません。

メモを取らない二代目社長

仕事を教えてもらうにも関わらず、全くメモを取らないので驚きました。

たしかに「メモは非効率」という考え方はあります。
しかしそれは「メモを取らなくても覚えられる」場合のみです。

もちろん社長はメモを取りませんし、一切覚えません。
新人に教えているのであれば「覚えられないならメモを取って」と言うことができますが、相手が社長なので強く言えず‥‥。

何度も同じことを説明して、やっと覚えたかと思いきや、1時間後にすべて忘れていることがしょっちゅうでした。
何度も同じことを質問してくることもありました。
説明をするたびに毎回「はじめて知った!」みたいな反応をされるのが苛立たしかったです。

やがて僕も「昨日も説明しましたけど」と頭につけるようになっていましたが、何も効果がありませんでしたね。

覚えられない二代目社長

1から10までの工程を、ひとつひとつ丁寧に教えていきました。
メモを取らないのであれば、工程ひとつひとつを社長がわかったと言うまで何度も反復させました。

工程1をまず僕がやってみせて、社長に同じことをやってもらう。
できたらまた段取りを崩して0に戻し、工程1をひたすらに繰り返します。
はじめのうちは口や手をはさんでフォローしますが、やがて社長一人でもスムーズにできます。

そして工程2へ。
工程2も同じように、1から2を何度も何度も繰り返して、スムーズにできるようになります。

「じゃあ0に戻して、工程1から2までを続けてやってみましょうか」
と僕が言った途端、社長がフリーズします。

なんとか工程5まで進んだと思ったら、2から4が抜けたり、10まで全部覚えたと思ったら1から8をごっそり忘れていたり。
そんなことの連続でした。

応用力がない二代目社長

僕が人に教えるときは「なぜこの工程が必要なのか」ということから教えます。
少々説明が長くなるんですが、僕が覚える立場だったらそこから知りたいですし、その工程の意味まで知らないと本当に理解したとは言えないと思うからです。

しかし社長は、話が長くなると明らかに嫌な顔をします。
「そういうのいいからやり方だけ教えて」と顔に書いてあります。

例えば「3×3=9」という掛け算があります。
これを教えるとしたら「3×3」というのは「3+3+3」で、「3を3回足す」ことだと覚えてもらうと思うんです。
それが理解できると、ひとつひとつ教えなくても「3×4」や「5×2」などにも挑戦できます。

しかし、社長の場合は細かいことは覚えようとせず「3×3=9」とだけ頭に入れます。

そのため、加工の条件が少しでも変わると「教えてもらってないからできない」とフリーズします。
「基本的には同じだから考えてやってみて」と言っても「だって条件が違う」と言って手を動かしません。

僕が辞めたあとに超精密加工機が動かないだろうなと感じるのはこのためです。
条件が異なる製品の作り方を社長が見出だせるのか、不安ですね。
多分だめでしょう。

二代目社長がメモを取らないのは、取り方を知らないから?

残りが1週間ほどになり、覚えが悪いのでさすがに「ここは書いておいてください」と言ったことがありました。
それからちょくちょくメモを取るようになったのですが、感じたことは「メモの取り方を知らないのでは」ということ。

ノートを持ってくるときもあれば、図面などの裏にメモを取ることもありました。

そもそも図面の裏なんかに書かれても、すぐにどこかへ行ってしまう可能性があります。
またノートに書くにしても、ページの初めのほうに書いたり、後ろから使ってみたり、使い方が謎でした。

そしてメモを取る内容についても疑問でした。

僕は普段メモを取るとしたら、箇条書きのように要点をメモすることが多いです。
必要に応じて、関係のあるワードを線で繋いだり、忘れそうだなということは文章にして補足したりします。
というか、メモってそういうものだと思っているんですが、どうでしょうか。

「まず工程1ですが、機械に品物を取り付ける。機械の座標を〇〇の位置に持ってきて、ネジを緩めてうんぬん‥‥」
みたいな説明をしたとします。

このときにメモをするとしたら
「工程1:取り付け 座標→〇〇」
くらいじゃないでしょうか。

話を聞いて、要点を整理して、重要なポイントを書き留めるのがメモですからね。

しかし社長のメモの場合は
「工程1 機械に品物を取り付ける。機械の座標を〇〇に持ってくる。ネジを緩めて‥‥」
という感じで書かれています。
ポイントの箇条書きではなく、工程すべてを記録しようとする感じでしょうか。

こういうメモの取り方しか知らないのであれば、メモを取ることを面倒くさがるのかもなと思います。
メモの取り方って誰に習うわけでもありませんでしたが、おそらくアルバイトや社会人の経験があれば自然と身につくと思います。

社長は父親の会社でしか働いたことがありません。
経営者の息子なので、何度も同じことを聞いても周りは強く言えなかったでしょうから、許されてきたのでしょうね。

あわせて読みたい
「家族経営の町工場はやめとけ」実体験から感じたこと 「家族経営の会社はやめとけ」とよく聞きます。家族経営の町工場に務める筆者がその実情についてご紹介します。

この人(二代目社長)の下で働いていたのかという事実

社長が仕事ができないということは前々からわかっていました。
そもそも超精密加工の仕事は会社で僕しかやっていませんでした。
社長がやっていたのは、一年目でもできるようなレベルの仕事だけということも知っていました。

楽な仕事をして稼ぎたいというのは、ほとんどの人の願望です。
しかしその姿を社長が従業員に見せてしまっては絶対だめです。

それに加えて「仕事を覚えようとしないだけでなく、そもそも覚えが悪い」ということも痛感しました。
「努力しないだけで、本気を出したら実はすごい人なんだ」という期待もゼロになりました。

やはり、この人が会社を率いているようではだめだなと思わされました。

技術もない、努力もできない、頭も悪い。
これでは近い将来必ず潰れるでしょうね。

やはり感じたことは、自分の上司は尊敬できる人でなけらばならないということ。
とてつもなく当たり前なことですが、とても大事なことです。

どんな人であっても、見つけようと思えば1つくらいはすごいなと思うことや尊敬できることがあると思います。
しかし、僕の場合はそういったことが1ミリもありませんでした。

それが上司であり、経営者であったわけです。
やめて然るべき会社でした。

まとめ:次の会社は無能な二代目社長のいない、健全な会社で働きたい

家族経営の二代目社長に仕事を教えてみて「会社を辞めて正解だな」と思わされる結果になりました。
父親の会社でしか働いたことのないおぼっちゃまですし、前々からわかってはいたことですが、確信にかわってしまいました。やっぱり二代目社長は自己評価が高いだけで無能です。

やはり下で働く人間としては、尊敬できる上司の下で働きたいものです。
こんなにも仕事の覚えが悪かったり、メモの取り方すら知らないとは思いませんでした。

直属の上司が尊敬できなくても、その上だったり、経営陣が尊敬できたらまだ頑張れますが、小さな町工場の場合はそうもいきません。

尊敬できない人の会社で働くなんてとても不健全ですからね。
せめて会社に一人は尊敬できる人がいてほしいものです。

今のところ何も決まっていませんが、次に入る会社では尊敬できる上司や仲間たちに囲まれて働きたいものです。
それが健全な働き方だと思うんです。

あわせて読みたい
「職人技」って言語化して伝える努力をしていないだけじゃないの? って話 家族経営の町工場で働いて6年間で感じていたことは「職人」なんて存在しないということ。職人という都合のいい言葉によって、技術を言語化せずに伝える努力をしていないだけと強く感じていました。 この記事では「職人」という言葉に対する疑問について書きました。
シェアしていただけると喜びます
目次