緑声
紙の手紙は
口にしないよ 想いは声で
届けるから
緑を食んで 日々を紡ぐ
四角い瞳 遠くを見つめ
確かめる 大きく
怖がらないで わけがあるから
知ってほしい 早く
上の前歯は生えてないけど
固い歯ぐきで受け止めるの
ちがい 笑わないで
それが しるしなんだよ
紙の手紙は
口にしないよ 想いは声で
届けるから
緑を食んで 日々を紡ぐ
いつも 横に長い 世界の中
ひらり 緑がそよぐ このときも
そっと 歩くたびに 耳が揺れて
自分の脚で 進んでいける
揺れる草の上で
丘の途中で 雲の影見る
見上げれば 広く
粒のような芽 口で摘んで
音にした 優しく
見た目じゃなくて触れたぬくもり
呼吸の深さで近くなるの
ちがい 比べないで
それが 証だから
紙の手紙は
口にしないよ 深い呼吸で
届けるから
緑を食んで 日々を満たす
いつも 横に長い 世界の中
ふわり 跳んで見下ろす このときも
ふっと 頭さげても 変わらない
自分の脚で 進んでいける
揺れる草の上で
いつも 横に長い 世界の中
きらり 緑が踊る このときを
きっと 遠くにいても見つめ合う
自分の意思で 進むよ
やがて 目を細める 光の中
ふたり 風がくすぐる このときを
もっと 言葉なんていらなくなる
影のかたち ひとつになる
揺れる草の上で
紙の手紙は
口にしないよ 瞳でいつも
返事わたす
緑を食んで 明日をつくる
ミニ解説
「りょくせい」と読みます。そんな言葉ないですけど。
曲の構造はこれまで作ってきた曲がほとんど
【Aメロ】⇒【Bメロ】⇒【サビ】⇒【ブリッジ】⇒【サビ】
という展開の曲しか知らないぞと思い、違う展開を作ってみました。
手紙を食べない。そもそも手紙なんて必要ない。そんなものなくても私は意思表示をしているから、という歌詞です。
出来上がったのを聴いていたらふと、「そうだよな、いつも声とか目とか、いろんなことで感情を伝えようとしてくれているな」と思い、普段お世話しているヤギの様子が頭に浮かんでとても愛おしくなりました。
いや、そもそも自分が作った歌詞なんですけどね。