No teeth on the top
上の前歯は 見つからない
そこにあるのは 固い歯茎
やわらかな風に まかせながら
草の匂いを 集めていく
上くちびるにすっと 小さな溝
草をつまんで 口に運んで
下の歯と 歯床板が
リズムを刻むようにちぎる
No teeth on the top, でも大丈夫
自然がくれた形のまま
小さな体が踊るみたいに
草を噛むたび 音が響くよ
地面に生えた みじかい草も
そのくちびるで すくい上げる
何気ない しぐさのなかに
生きる工夫が隠れてる
歯は無くても 食べられるよ
そのデザインは 不思議なほど
いつの時代も 変わらずに
ヤギの毎日をささえてる
No teeth on the top, でも大丈夫
硬い歯茎が 響き 紡ぐ
一口ごとに響くリズム
それが草のハーモニー
静かな午後に 草を摘む音
それは小さな幸せの証
No teeth on the top, でも大丈夫
自然がくれた形のまま
小さな体が踊るみたいに
草を噛むたび 音が響くよ
ミニ解説
ヤギには上の前歯がありません。代わりにあるのは歯床板(ししょうばん)という硬い歯茎です。
ジブリ映画に出てくるヤギに上の歯があって、間違っちゃっているのはヤギ界隈では有名な話です。
こんなかわいい曲なのに「歯茎」という歌詞はとても合わないなと思いつつ、そこに更に「歯床板」です。
歌詞に入れるかどうか迷いましたが、勉強のための歌だと思ったので入れました。そこだけ明らかに浮いていますが、必要だったんです、きっと。
ヤギが草をブチブチとちぎりながら食べる音はとても聴いていて心がやすらぎます。
気持ちよく晴れた日に、小屋の掃除などを終えて、ヤギが草を食べる音を聴いているのが好きです。そんなことを歌詞にしました。