小さな町工場で6年間働き、異業種へ転職をしました。
転職活動を通じて感じたことは「町工場で磨いたスキルはなんの役にも立たない」ということでした。
どんなに精密な仕事をしていても、業界がニッチすぎると転職活動には全く活かせません。
「ナノメートル単位の仕事をしていたんですよ!」なんてアピールをしたところで、相手からすると「ふーん」くらいなものです。
- 潰しのきかない経験をどうアピールをして転職につなげたらよいのか
- 実際に僕はどうやって転職につなげたのか
今回はこれらについて書いていきたいと思います。
町工場で身につくスキルは「潰しの効かない」スキル
令和の時代の生き残っている町工場は、同業他社が極端に少なかったり、独自のノウハウを持っているパターンがほどんでしょう。
僕が働いていた町工場もニッチな業界だから生き残れているようなものでした。
ということはつまり、町工場で身につけた技術は他では活かすことが難しい技術です。
同業他社に転職をするにしても、独自のノウハウをそれぞれ持っているので製作工程が違ったり、機械がオリジナルのものだったりで活かせないことが多いです。
レーダーチャートでイメージするとしたら一箇所だけピンピンに尖っているようなものです。
ニッチなスキルを磨きに磨いたところで、転職市場では評価されづらい人間になってしまいます。
町工場からの転職でアピールすべきは「潰しの効く」スキル
尖ったスキルに比べ、転職活動でアピールしやすいのが潰しの効くスキルです。
どんな仕事であっても共通する要素があります。会社違えど業種が違えど「利益を生む」ということは一緒です。
採用する企業は、どうやったらもっと利益を生み出せるのか。この人を採用したら今より利益が上がるだろうかと考えているはずです。
わかりやすいのが、業務効率や改善の力、マネジメントや営業のスキル、コミュニケーション能力などは、どんな仕事でも必要とされる汎用性の高いスキルです。
PCのスキルやデザイン力、生成AIの知識なども汎用性の高いスキルだと思います。
令和の時代に基本的なPCが使えない人が結構いるなという印象なので、最低限WordやExcelなどOfficeの基本操作ができるだけでも転職の幅が広がると思います。
実際に転職して感じるのは、PCが最低限使えてよかったということです。
PCを使う仕事だと当たり前のようにタッチタイピングができなきゃだめですし、Excelの基本的な関数は使えないと仕事になりませんから‥‥。
町工場の経験から実際にアピールしたこと
「こんな難しい製品を作ってたんですよ」と言っても何にもならないため、自分の過去の経験から潰しの効くようなことを探す必要があります。
どんなニッチな町工場であっても職種を問わず必要とされるスキルが養われた経験があるはずです。
働いている以上は、壁にぶつかって壁を乗り越えたことがあるでしょう。そこから得た普遍的なことは何かを考えます。
うまくいかなくて製品が作れないことがあり「なぜ失敗するのか、どうやったら成功するのか」と考えたことがあったとしたら、問題解決能力が磨かれているはずです。PDCAを回すのが得意ですなんてアピールがいいかもしれません。
短納期のものを必死になって時間内に完成させたとしたら「この工程を12時前に終わらせて、次の工程を13時までにやって」なんて頭の中で計画したはずです。タイムマネジメント能力が高いですなんて言っていいのではないでしょうか。
僕の場合は、「職人技」とやらの曖昧なものを言語化してマニュアル化して、自分が1年以上かかったことを3ヶ月で研修できるようになったことなどをアピールしました。
そしてこのブログのことも自己アピールとして書いておきました。最低限PCは使えるんだなと思ってもらえたのではないかと思ってます。
実際にこれらがどの程度評価されたのかは不明ですが、年齢や職歴のわりには思っていたより書類で落とされる回数は少なかった印象です。
正直言ってもっと書類で落とされると思ってましたし、転職までに時間がかかると思っていました。
まとめ:どんな仕事だって汎用性の高いスキルは身についているはず‥‥!
以上、ちっぽけな町工場からの転職活動についてまとめました。
「こんな超精密なことをやっていたんです!」なんてことはアイスブレイクにはなっても何のアピールにもなりません。アピールすべきポイントをよく考える必要があります。
こんなに手先が器用なんです! こんな技術力持ってるんです! と猛アピールされたところで、「じゃあ転職しないでそこで仕事続けなよ」って話ですからね。
町工場と比べると業務量もスピードも凄まじく、残業もありますが、今のところは転職して大正解でした。