「さよなら ほやマン」という映画を観に行きました。
上映館が少なくなかなかタイミングが合わなかったのですが、ついに観に行くことができました。
特に何も調べないで行ったので、まさかこんな映画だったとは。
観たあとは図書館へ行って自分のやることをやろうと思っていたにもかかわらず、心が震えてしまってしばらく何も手に付きませんでした。
「さよなら ほやマン」を観て考えたことを書いておこうと思います。
観に行ったきっかけはラジオ
「伊集院光 深夜の馬鹿力」で話していたことがきっかけで「さよなら ほやマン」を知りました。
僕はこのラジオ番組に随分と助けられましたし、伊集院さんを信頼しているので、取り上げられたものはなるべく体感したいと思っています。
そして僕は気になった映画は事前にあまり調べないで観に行くのことにしています。なるべく正面から受け止めたいですし自分で考えたいからです。
映画の前に誰かの感想を読むと、影響されてしまってそれが自分の感想になってしまいます。自分の考えるチカラなんてその程度です。
そのため今回もラジオで話していたこと以外は何も調べずに行きました。
事前に知っていたのはMOROHAのアフロさんが主演していること、東北の地震に関連する映画だということくらいでした。
住む場所を見つけると脳がなくなる「ほや」
卵から生まれ、赤ちゃんのころはオタマジャクシのような形で海を泳ぎ、やがて住む岩場を決めると背骨がなくなり、脳がなくなり成体の形になっていく。
「さよなら ほやマン」”ほや”ってなあに?
冒頭でほやの生態についての説明があります。
どんな映画なのかを知らなかったので、その説明を聞いて単純に「面白い動物だなあ」と思っていました。脳みそまでなくしちゃうなんて頭悪すぎるだろう、と。
しかしやがて思い知りました。これは人間だと。
住む場所を決めると、考えることをやめて、脳もなくなり、動かなくなる。
一度働き始めると、よほどの労働環境でないかぎりは働き続けるほうが楽です。もちろん働いているなかで色々なことはありますが、仕事を辞めるために動くことにも労力を使います。
だからこそ「やめたいやめたい」と言いながら働き続けている人が多くいます。そして僕もその一人でした。
それなりに頑張れば給料は定期的に入ります。やめたいと言いながらも、毎日同じ時間に起きて仕事へ向かいます。
「ほや」みたいな人間だらけです。
自分も「ほや」になっている
前の会社にいたころは週末だけが楽しみで、一週間が過ぎるのを待っているだけの日々でした。本当に脳みそのない人間だったと思います。
そんな日々をどうにか変えようと、会社を辞めました。今は自分で考えて動かなければなりません。
しかし、そうは言っても本当に必死になって動いているのか。
もっともっと頑張れる気がしていて、少なくとも当初の予定よりは随分と上手く行かない日々です。
ただ毎日図書館へ行って、ブログ書いて、それだけで満足をしているように思えます。日々をこなしているように過ごしていて、また脳みそがなくなりかけているような気もしています。
もっともっと頑張れるし、毎日を良くしようと藻掻けるのではないかと思えてきます。
「ほや」にならないように藻掻く
これまで何度も一生懸命やっている人のことを小馬鹿にしてきました。そして自分は一生懸命になっている姿を見られるのが恥ずかしくて、ヘラヘラとしてきました。
劇中で主人公たちが、まっすぐ一生懸命に必死で藻掻いている姿が今の自分には眩しく見えました。
「今更Youtubeなんて何周遅れだよ?」というようなセリフがありました。
それはまさに、今更ブログをやっている自分自身に対してもしょっちゅう思っていることです。
それでも主人公たちはとても真剣にまっすぐ頑張っていて、それが羨ましく思えました。自分は一生懸命な姿を見せることが恥ずかしくてできません。
このブログも斜に構えながら「これは自分のWEBスキルを磨くためにはじめただけで、読まれようとも思ってないしー」みたいなことをヘラヘラと逃げ道を作りながらやっています。
手作り感のある動画を作り再生数が伸びずに肩を落としている彼らを、はじめのうちは小馬鹿にするような気持ちで観ていました。
しかしひたすらに真っ直ぐで、必死に藻掻く彼らを観ているうちに思わされました。もっと自分だって彼らみたいに必死に藻掻かなきゃいけないんです。
今だって全然ダメなのに「最初から想定内でしたー」なんて態度でヘラヘラとしています。
アップリンク吉祥寺での伊集院さんが登壇したトークショーでのアフロさんの言葉が印象に残ったので、思わずメモしました。
一生懸命やって熱狂していると、その横顔を見て力を貸してくれる人があらわれる
この気持ちで、これからの僕も一生懸命にやらなければと思います。
一生懸命にやっていくと、いくつもの波を越えなければならないでしょう。流されそうになることもあると思いますし、波の大きさに怖気づくこともあると思います。
それでも波から逃げずに、この言葉を思い出しながら、波に向かっていけるようになりたいです。
まとめ:「さよなら ほやマン」心が震えた
「さよなら ほやマン」を観たことによって、結構うちのめされました。
元々こういう鬱屈とした若者たちの映画が好きなんです。
僕自身、努力をしているふりをしているだけで満足していて、もっともっと一生懸命やらなきゃいけないんです。
一生懸命にやらないくせに悶々としている自分は、必死に藻掻いている彼らが羨ましくも思います。
おそらく日本で暮らすほとんどの人が「ほや」です。今の生活をどうにかしたいと思っている自分はとてもヒリヒリしました。
パッと見の印象で「ご当地ヒーロー」「震災の映画」と決めつけて、観ないのはもったいないです。
あと観終わってしばらくして、ふと「SRサイタマノラッパー」のことも思い出しました。
映画の感想文のはずが、反省文と決意表明になってしまいました。がんばります。